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使っていい木と、使ってはいけない木

2021.09.20

Posted by haradarumiko

「木を伐る」というと、世界で問題となっている森林破壊、違法伐採のような印象を与えるのか、環境に悪い行為のように受け取られることがあります。

人工林で育成し、伐採期を迎えた木は、収穫することが林業そのものであって(農業の米や野菜と同様、林業も育てた木は収穫です)、伐採後にはまた植林することが義務付けられています。

ですが、遠い国の話ではない、日本にも、違法伐採が少なくないというのです。他人が所有する山林を無断で伐採する盗伐や、誤って(故意に誤った風を装って?)伐採する誤伐の被害は、ダントツ九州で多く起こっており、中でも宮崎県が圧倒的だそう。違法伐採は、正しくないお金の流れが社会に悪い影響を及ぼしたり、無断伐採のあとは再造林もすすまず、資源循環が絶たれてしまいがちです。土砂の流出を防ぐといった森林の機能も弱まってしまいます。

違法な伐採って、具体的には無断で伐採=盗伐、伐採届けを偽造するケース、伐採届けは出しながら届けと違う場所を伐採して「間違えました〜」というケースも。このうっかり誤伐は窃盗にもならず(起訴しづらいと)無罪放免となるようなので驚きです。

そもそも森は人が暮らす場所から少し遠く、出入りも自由。持ち主でさえ自分の山林をよく把握できていなケースも多く、当事者も、盗まれたことすらわからないことがあるそう。

輸入材も国産材も、正しく生産、調達された木とそうでない木は、木そのものだけを見てもわかりません。

食に関しては生活者の意識も高まり、衣類についても、SDGs時代にようやく生産の過程にまで思いを馳せる時代になりました。

木にそういう視線が注がれるようになるには、日本にもある違法伐採を、もっと知ってもらう必要がありそうです。

ちなみに、私も時々参加させていただいているフェアウッド研究部会では、産地の森を破壊せず、地元の生活者や生産者の人たちのことも考えて生産された木材をフェアウッドとしています。

林業の未来を考えると、木も、その背景まで考えて選んでもらう時代なのだと思います。そのための情報発信や共感の醸成が大事ですよね。微力ながらやっていこうと思います。

天草地域森林組合さんの共販市
とれたて木材