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「紛争木材」!?

2022.06.12

Posted by haradarumiko

木材価格高騰のニュースにこの言葉を見て、ドキッとしました。森林管理の認証を行う国際機関(PEFCやFSC)からロシア木材が「紛争木材」とみなされたことから、認証材を取り扱う事業者はロシア(とベラルーシ)で生産された木材の取引を停止することに。それを原料としていた木材製品の製造・加工・流通が止まっているのだそうです。

ロシア側でも、経済制裁への応酬で非友好国への一部の木材の輸出を停止しています。

コロナ発のウッドショックもそう。私たちはこの2年、木材に限らず、観光、製造業、食料、、、あらゆるものごとにおいて世界全体がつながっていること、密接に絡み合っていること、強く影響し合うことを、あらためて実感しました。

ロシア木材の話に戻ると、日本ははるか遠くロシアからもたくさんの木材を輸入していて、特に、合板の素材となる単板は、昨年の総輸入量の8割をロシア産が占めていたそうです。そしていま、合板の平均価格は約7割高くなっているとも。

一方、日本の国土に目をやると、その2/3を森林が占めています。森林率でいうと、日本は、先進国の中で世界第二位の森林国!資源の少ない日本ですが、森林資源については宝庫といえるのです。今こそ国産材のがんばりどきですが、長年にわたって確立された流通(外材前提)や収穫・製材・製造のシステムから、急に大量に国産材の生産が必要となっても、急な対応が難しいのも事実です。

未来は本当に不確実であることを学んだ今、ここから、どうありたいかをしっかり考える時なのですね。

林業は、その地域に根づいて、目の前の短期的な利益だけでなく、自然循環のスピードで成り立ちつづいていく産業なのだと思います。

木材だけでなく、食料も、エネルギーも、持続可能で安心・安全な生産や供給を考えると、日頃から顔の見える(由来のわかる)生産、フェアな調達、たんに安いから選ぶというのではなく、生産、調達、消費、それぞれの立場にたち、より良い未来を描きながら良い関係を築いていくことが大事になってくると思います。というか、そうでないこと、つまり、環境や社会や人権への配慮を欠くこと、我慢や犠牲を強いたり、搾取したり、欺いたり、そういった経済活動にはできるだけ関わりたくありません。全部を確実にストイックに、は難しいかもしれませんが、こうありたいという平和で安心して暮らせる未来を(それを次世代にしっかり受け渡していく大人の責任を)イメージして、自分の関われる範囲のものごとをそれに近づけていきたいものです。

まちで見かけた合板の山。紛争木材とは直接関係ありません。